tekketsu
 
 
 
 

Happi2 Tokyo Statio
会期:2007年 6月13日(水)〜 6月17日(日)
会場:行幸地下通路

 
 

●久留里線馬来田駅をベースにした、無人駅施設デザインの考え方
無人駅といわれる鉄道の周辺は、幸いにも美しい風景が今も残されている。
その理由のひとつは自然景観。開発という行為とは縁のない、田園風景や雑木林などが続き、まるで映画を見ているような気持ちにさせられることさえある。鉄道は人間が造った人工物であるにもかかわらず、やはりホッとする風景をつくっている。それは鉄道というインフラのライフスパンが長く考えられていたために、ちょっとやそっとではへこたれない構造であったり、設備機器にしても堅牢で確かな素材を使っていたためであろう。たとえば線路はムクの鉄の押し出し材であるし、枕木は栗の木であった。そして敷石はもちろん本物の石である。
つまり自然と鉄、石、木でつくられた景観であったわけである。その後、鉄道に変わり圧倒的な速度で行われた道路インフラに比べ、時間の概念やつくられた背景と想い、そこに存在する施設や素材も我々に訴えかけてくれるものがある。
今、無人駅も老朽化し、新規に建て替えられるケースが増えてきた。残念ながら、それらはその美しい風景に相応しいものかどうか考えさせられるものが少なくない。我々の先輩達が心を込めてつくった鉄道に敬意を表し、これから整備する無人駅施設のひとつのスタンダードモデルとして、久留里線、馬来田駅をひとつのケーススタディーとし、プラットホームのシェルター、トイレ、ベンチなどの施設と情報伝達システムのデザイン提案を行う。 今回のとり組みはまだ試行を行った段階である。が、その手応えはよく、今後さらにJR東日本、利用者の皆さんと詰めていきながら、実現の方向に繋げていきたい。このプロジェクトに於いては、馬来田駅のボランティアスタッフの皆さんはじめ市民の皆さんに大変協力をいただいた。

 
   
 
 
   
 
 
   
 
1/10スケールのモデルによるプレゼンテーション
 
 
 
 
●シェルター
まず素材そのものを吟味した。柱には熱間押し出し鋼材、その他のフレームも鉄材を使用し、格子は木材。時間とともに味わいがますデザインを目指した。木材は地場の素材を使用し、可能ならば住民の方にも取付やメンテナンスを協力してもらうことで地域性も生まれてくる事を期待しているる。フレームの色などを変えることで路線によって差別化を図ることも考えられる。1800モジュールを基本とし、駅の規模や使用頻度によって長さ方向を増減することが容易に出来るシステムとした。 また列車の視認性、利用者の安全性を考慮し、開放感を持ちつつ、風雨や日差しに対してのシェルターとしての機能を併せ持つ。

 
   
 
●ベンチ:デザインは藤泰司
 
   
 
●ITかかし(試行を終え展示会場導入部に現物が展示された。写真上)→馬来田駅試行実験トレンドタマゴ
利用者に列車の運行情報を伝える装置。具体的にはLEDと音声による列車の運行情報サービス、またカメラを内蔵し、駅周辺の映像情報を扱うことが出来る。都心の駅では常識的なシステムであっても、地方の無人駅ではその設備に莫大な予算がかかるため、なかなか同様のサービスが出来なかったが、PHSとGPS機能を連動させることにより、同様のサービスを安価に提供することが出来る。
単に機能的に情報を伝えたり、監視するというイメージではなく、利用者に愛着を持ってもらい、風雨に耐え、無人駅を守る利用者にとって良き仲間になってくれるような親しみのあるデザインをめざしている。見た目に似合わず、頼りになる堅牢さが自慢。

 
   
 
デザイナーと企業によるトークショー
 
   
 
左から南雲勝志 + 藤森泰司 + 中川剛志(JR東日本研究開発センターフロンティアサービス研究所)
 
   
 
ITかかし モデル
 
   
 


鉄結
team tekketsu
direction:若杉浩一/内田洋行
design:南雲勝志 + 藤森泰司 + JR東日本研究開発センターフロンティアサービス研究所